ぎっくり腰のメカニズム

ぎっくり腰の正確なメカニズムは、まだ研究中のようです。
重い物を持った時にぎっくり腰になる人もいますが、経験者の話に共通するのが “不意” をつかれた時に激痛が走った、ということです。
例えば・・・
・洗面所で顔を上げた拍子に
・くつ下を履こうとしたら
・くしゃみをした瞬間に など…

意識せず瞬間的に大きな負荷が腰にかかることが、ぎっくり腰の大きな要因であると考えられています。
何でも意識して行なうようにすれば、ぎっくり腰の危険を減らせるということですね。
強烈な痛みがあるものの、骨に異常があることはまれです。
しかし、ぎっくり腰を繰り返すうちに『椎間板ヘルニア』を引き起こすこともあるため、そのまま放置することは絶対に避けましょう。

ぎっくり腰のケア

ぎっくり腰になったら、「RICEの原則」を適用します。
これは…
R est=安静
I ce=冷却
C ompression=圧迫
E levation=挙上(ぎっくり腰の場合は用いない)
の頭文字をとったもので、全身のけがに対する一般的な処置法です。

●安静にする

腰にとって最も楽な姿勢は、寝ていることです。
椅子などに座っていても腰には大きな負担になりますから、まずは横になりましょう。
楽な方へ横向きになり、エビのように背中を丸め、足をくの字に曲げると、腰の筋肉がゆるみ激痛が和らいでいきます。
この時に、柔らかすぎるベッドや布団だと背骨がわん曲する(おしりの部分が沈む)ので、やや固めに整えます。
仰向けになる時は足の下に座布団などを2~3枚重ねて高くし、股関節をしっかり曲げると背骨が真っ直ぐになります。
立ち上がる時にはうつ伏せから四つん這いになり、ゆっくりと肘・膝・股関節を伸ばしていきます。
初期の安静がしっかり保たれていないと筋スパズム(痛み⇒筋の緊張)の悪循環に陥り、改善を遅らせることになりますから、動きたい気持ちを我慢して安静を保つようにしましょう。
※腰痛専門医は、病院で「問題ない」と言われても2~3日は完全休養することを勧めています。

●冷やす

冷えたアイスノン(タオルを巻いて)などを利用して、痛い部位を冷やします。
うつ伏せで冷やす時には腰がそらないように枕などをお腹の下に置き、高さを調節しましょう。
冷やしすぎると血行を悪くしその後の回復を妨げるため、1回20分程度、急性期(1~2日目)だけにとどめます。

●圧迫(固定)する

腰の負担を軽減させるため、コルセットやサポーターなどを
骨盤から腰部に巻きつけて適度に圧迫します。
しかし何日も常時着用したままだと筋力が低下しますから、症状の改善と共に着ける時間を短くしていきましょう。

●急性期のストレッチ

腰痛と関わりの深い腸腰筋をゆるめると、痛みがかなり和らぐことがあります。
少しずつ、一日数回実施して効果を確認してください。
動けるようになったらずっと寝ていることは避け、徐々に普段の活動に戻りましょう。
①仰向けになり、両膝を立てる
②徐々に片足を開脚し、同時にその股関節前面の筋肉を圧迫する
③圧迫している筋が少々痛くても、強く圧迫しながら徐々に動かします
※ストレッチは自己責任のもとで行ない、くれぐれも無理はしないようにしましょう!